切削加工用セラミックスとは(シェイパル・アルミナ)

切削加工用セラミックスとは|シェイパルとアルミナの使い分け

セラミックスは、樹脂では耐えられない高温域や、高い硬度・絶縁性が求められる部位で使われる材料です。 KIRIURI.COM では、切削加工ができるマシナブルセラミックス「シェイパル Hi Msoft」と、約1500℃まで使用できる「アルミナ」をお取り扱いしています。 両者は用途がはっきり分かれるため、選び方を整理します。

掲載数値は参考値です。保証値ではありません。 測定規格・試験片形状・グレード・ロットにより変動します。設計・採用にあたっては、メーカー発行の最新データシートでご確認ください。

2種類のセラミックスの比較

当社取扱セラミックスの物性比較(参考値)
項目シェイパル Hi Msoftアルミナ
材質窒化アルミ(AlN)+窒化ホウ素(BN)の複合焼結体酸化アルミニウム(Al2O3
密度2.88 g/cm³純度による
曲げ強度300 MPa純度による
熱伝導率92 W/m・K純度による
体積抵抗率1.0×1015 Ω・cm高絶縁
絶縁破壊電圧65 kV/mm高い
使用温度高温対応実用域 約1500℃まで
切削加工可能専用の加工が必要
取扱形状丸棒・板チューブ・保護管・細菅
メーカートクヤマ

シェイパル Hi Msoft の特徴

1. 切削加工ができるセラミックス

通常セラミックスは焼結後の加工が難しく、研削など専用の工程が必要です。 シェイパルは一般的な切削工具で加工できるため、丸棒・板からの削り出しで部品を製作できます。 少量・短納期での試作にも向きます。

2. 高熱伝導と高絶縁の両立

熱伝導率 92 W/m・K と金属に近い放熱性を持ちながら、体積抵抗率 1.0×1015 Ω・cm、 絶縁破壊電圧 65 kV/mm という高い絶縁性を備えます。 「熱は逃がしたいが電気は通したくない」という要求に応えられる、樹脂では実現しにくい特性です。

3. 樹脂では届かない温度域へ

PBI(荷重たわみ温度410℃)や PI(連続300℃)でも足りない高温部位で選択肢になります。

アルミナの特徴

1. 実用域で約1500℃まで

融点は 2072℃ で、実用上は約 1500℃ まで安定して使用できます。 樹脂やシェイパルでも耐えられない本格的な高温環境向けの材料です。

2. 高硬度・高絶縁・耐摩耗

硬度が非常に高く耐摩耗性に優れ、電気絶縁性も高い材料です。 熱電対の保護管や絶縁チューブとして広く使われます。

3. 純度により物性が大きく変わる

アルミナは純度(96%/99.5%/99.7% など)によって密度・強度・熱伝導率が大きく変わります。 本ページで具体的な数値を記載していないのはこのためです。 要求仕様がお決まりの場合は、お問い合わせいただければ適切な純度をご案内します。

使い分けの目安

要求推奨
削り出しで部品を作りたいシェイパル Hi Msoft(切削加工可能)
熱を逃がしつつ絶縁したいシェイパル Hi Msoft(熱伝導率92 W/m・K)
1000℃を超える環境アルミナ(実用域 約1500℃)
熱電対の保護管が欲しいアルミナ(保護管・細菅をご用意)
400℃以下で足りる樹脂(PBIPI ベスペル)も候補

主な用途

  • 半導体製造装置 — 高温部の絶縁・断熱部品、ヒーター周辺部材
  • 熱処理炉まわり — 治具、支持材、保護管
  • 電気絶縁 — 高温下で絶縁が必要な部位
  • 熱電対の保護 — アルミナ保護管・細菅
  • 放熱部材 — 絶縁しながら熱を逃がす部位(シェイパル)

全材料の横並び比較は 樹脂・エンプラ 物性比較表 をご覧ください。

KIRIURI.COM のセラミックス取扱品

マシナブルセラミックス(切削加工可能)

エンジニアリングセラミックス(アルミナ)

必要な寸法・数量での切売りに対応しています。純度や寸法のご相談は お問い合わせ よりご連絡ください。 在庫確認・ご注文は掛け払い登録済みの法人会員様がご利用いただけます。

セラミックスに関するよくあるご質問

切削加工できるセラミックスはありますか?

あります。シェイパル Hi Msoft(トクヤマ)は窒化アルミ(AlN)と窒化ホウ素(BN)の複合焼結体で、一般的な切削工具で加工できるマシナブルセラミックスです。丸棒・板からの削り出しで部品を製作できます。

シェイパルとアルミナはどう使い分けますか?

削り出しで部品を作りたい場合や、熱を逃がしながら絶縁したい場合はシェイパル Hi Msoft です。1000℃を超えるような本格的な高温環境や、熱電対の保護管が必要な場合はアルミナになります。

熱は逃がしたいが電気は通したくない、という要求に合う材料はありますか?

シェイパル Hi Msoft が該当します。熱伝導率 92 W/m・K と金属に近い放熱性を持ちながら、体積抵抗率 1.0×10の15乗 Ω・cm、絶縁破壊電圧 65 kV/mm という高い絶縁性を備えています。樹脂では実現しにくい組み合わせです。

アルミナは何℃まで使えますか?

融点は 2072℃ で、実用上は約 1500℃ まで安定して使用できます。樹脂やマシナブルセラミックスでは耐えられない高温環境向けの材料です。数値は参考値です。

アルミナの物性値を教えてください

アルミナは純度(96%/99.5%/99.7% など)によって密度・曲げ強度・熱伝導率が大きく変わります。そのため一律の数値提示はしておりません。要求仕様がお決まりの場合はお問い合わせください。適切な純度をご案内します。

セラミックスと樹脂はどちらを選ぶべきですか?

400℃以下で足りる場合は、加工性とコストの面で樹脂(PBI や PI ベスペルなど)が現実的です。それを超える温度域、あるいは高硬度・高熱伝導と絶縁の両立が必要な場合にセラミックスを検討します。

出典

本ページの数値は、トクヤマが公開するシェイパルの製品情報および公開されている一般的な物性資料をもとにした参考値です(2026年8月時点)。アルミナは純度により物性が大きく異なるため、具体的な数値は記載していません。 数値は測定規格・グレード・ロットにより変動します。正確な値はメーカーの最新データシートをご確認ください。

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