POM(ポリアセタール)とは

POM(ポリアセタール)とは|摺動性・切削加工性に優れた機械部品の定番材料

POM(ポリアセタール)は、摺動性・寸法安定性・疲労強度のバランスに優れ、切削加工性が非常に良いエンジニアリングプラスチックです。 歯車・軸受・ローラーなど、削り出しで作る精密機械部品に最も広く使われる材料のひとつで、KIRIURI.COM では6色(白・黒・青・赤・黄・緑)をお取り扱いしています。

掲載数値は参考値です。保証値ではありません。 測定規格・試験片形状・グレード・ロットにより変動します。設計・採用にあたっては、メーカー発行の最新データシートでご確認ください。

POM の基本物性

POM の物性値(参考値)
項目数値備考
比重1.41
連続使用温度約 140 ℃エンプラとして高めの水準
引張強さ約 70 MPa
吸水率0.20 %MCナイロンより大幅に低い
摺動性優れる自己潤滑性あり
疲労強度優れる繰り返し荷重に強い
切削加工性非常に良い樹脂の中でも最良クラス

POM の特徴

1. 切削加工性が樹脂で最良クラス

削り味が良く、寸法を出しやすいため、精密部品の削り出しに最も適した樹脂のひとつです。 複雑形状でも安定した精度が得られます。

2. 摺動性と耐摩耗性

自己潤滑性があり、無潤滑でもすべりが良い材料です。 PTFE ほど摩擦係数は低くありませんが、強度と剛性があるため荷重のかかる摺動部に使えます。 これが PTFE との決定的な違いです。

3. 疲労強度が高い

繰り返し荷重に強く、ばね性を持つ部品やスナップフィット構造にも使われます。 歯車のように応力が繰り返しかかる部品に適しています。

4. 吸水による寸法変化が小さい

吸水率 0.20% は、MCナイロンと比べて大幅に低い水準です。 MCナイロンで寸法が出ない場合の第一候補になります。

POM の主な用途

  • 歯車・ギヤ — 疲労強度と摺動性を活かした動力伝達部品
  • 軸受・ブッシュ — 無潤滑での摺動部
  • ローラー・カム — 搬送機械の部品
  • 精密機械部品 — 寸法精度が要求される部位
  • 治具・ジグ — 相手材を傷つけたくない用途

POM の切削加工で注意すること

  • 加工しやすい反面、熱に注意 — 削り味は良いものの、切削熱がこもると寸法が動きます。
  • 残留応力 — 厚物から大きく削り込むと反りが出ることがあります。アニールで改善する場合があります。
  • 接着しにくい — 表面エネルギーが低く接着剤が付きにくいため、締結は機械的な方法が基本です。
  • 強酸に弱い — 耐薬品性は中程度で、強酸環境には向きません。

他の材料との比較

比較対象POM との違い
MCナイロン吸水率は POM が低く(0.20%)寸法安定性で有利。耐摩耗性と靭性は MCナイロンが上
PTFE摩擦係数は PTFE が低いが、強度・剛性が低く荷重部位に使えない。荷重のかかる摺動部は POM
PEEK耐熱は PEEK が大きく上(260℃ 対 140℃)。コストと加工性は POM が有利
PE-UHMW耐摩耗性は PE-UHMW が上。剛性と耐熱は POM が上回る

全材料の横並び比較は 樹脂・エンプラ 物性比較表 をご覧ください。

KIRIURI.COM の POM 取扱品

POM 丸棒・板の一覧はこちら(6色をご用意)

必要な寸法・数量での切売りに対応しています。在庫確認・ご注文は掛け払い登録済みの法人会員様がご利用いただけます。

POM に関するよくあるご質問

POM は何℃まで使えますか?

連続使用温度は約 140℃ が目安です。エンジニアリングプラスチックとしては高めの水準ですが、それを超える環境では PPS(約260℃)や PEEK(長期260℃)が候補になります。数値は参考値です。

POM と MCナイロンはどちらを選ぶべきですか?

寸法精度を優先するなら POM です。吸水率は POM が 0.20% で、吸水量の大きい MCナイロンより寸法が安定します。一方、耐摩耗性と靭性は MCナイロンが優れるため、摩耗が主な課題なら MCナイロンが候補になります。

POM は摺動部品に使えますか?

適しています。自己潤滑性があり無潤滑でもすべりが良く、さらに強度と剛性があるため荷重のかかる摺動部にも使えます。摩擦係数だけなら PTFE が低いものの、PTFE は強度が低く荷重部位には向きません。

POM は接着できますか?

表面エネルギーが低く接着剤が付きにくい材料です。締結にはネジ止めや圧入など機械的な方法を用いるのが基本になります。

POM の色による性能差はありますか?

KIRIURI.COM では白・黒・青・赤・黄・緑の6色を取り扱っています。基本的な機械物性は共通で、色は識別や意匠のために選ばれることが一般的です。詳細な差異についてはお問い合わせください。

出典

本ページの数値は、各素材メーカーが公開する技術資料および公開されている一般的な物性資料をもとにした参考値です(2026年8月時点)。 数値は測定規格・グレード・ロットにより変動します。正確な値はメーカーの最新データシートをご確認ください。

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