PBI(ポリベンゾイミダゾール)とは
PBI(ポリベンゾイミダゾール)とは|樹脂で最高クラスの耐熱材料
PBI(ポリベンゾイミダゾール)は、荷重たわみ温度 410℃、ガラス転移温度 420℃ を持つ、 熱可塑性樹脂として最高クラスの耐熱性を備えたスーパーエンジニアリングプラスチックです。 高強度・高硬度で低熱膨張、プラズマ耐性にも優れるため、半導体製造装置の高温・真空部品に使われます。
PBI の基本物性
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 荷重たわみ温度 | 410 ℃ | 1.8 MPa 荷重時 |
| ガラス転移温度(Tg) | 420 ℃ | 樹脂で最高クラス |
| 熱分解温度 | 600 ℃ 超 | — |
| 密度(比重) | 1.30〜1.38 g/cm³ | — |
| 引張強さ | 約 150 MPa | 樹脂として最高水準 |
| 吸水率 | 約 0.40 % | — |
| 熱膨張 | 低い | 高温下で寸法が変化しにくい |
| 熱伝導 | 低い | 断熱性が求められる部位に有利 |
| プラズマ耐性 | 良好 | ドライエッチング環境で使用可 |
PBI の特徴
1. 樹脂で最高クラスの耐熱性
荷重たわみ温度 410℃(1.8MPa)、ガラス転移温度 420℃、熱分解温度は 600℃ を超えます。 PEEK(連続260℃)や PI(ベスペル SP-1、連続300℃)をさらに上回る耐熱域を持つ材料です。
2. 高強度・高硬度
引張強さは約 150 MPa と、無充填の熱可塑性樹脂としては最高水準です。硬度も高く、耐摩耗部品に適します。
3. 低熱膨張・低熱伝導
熱膨張が小さいため、高温下でも寸法が変化しにくく、精密部品の材料として有利です。 また熱伝導が低いため、断熱が求められる部位にも使われます。
4. 優れた耐薬品性とプラズマ耐性
酸・塩基・有機溶剤に対して強い耐性を示します。プラズマ耐性も良好なため、ドライエッチング環境での使用に耐えます。
5. NASA との共同開発に由来する材料
PBI は NASA と AFML(米空軍材料研究所)との共同開発によって生まれたスーパーエンジニアリングプラスチックです。
SCM7000 と SCM7000HP の違い
| グレード | 位置づけ | 主な用途 |
|---|---|---|
| SCM7000 | PBI のナチュラルグレード。高耐熱・低熱膨張・低熱伝導、高強度・高硬度という PBI の基本特性を備えた切削加工用素材 | 高温下の摺動部品、耐摩耗部品、断熱部品 |
| SCM7000HP | 高純度グレード。不純物とアウトガスを抑えており、低金属含有。真空チャンバー内での使用を想定 | 半導体製造装置の真空中部品、ウェハ/ガラス保持パーツ |
真空環境やクリーン環境での使用、金属汚染を避けたい用途では SCM7000HP を、 それ以外の高温・耐摩耗用途では SCM7000 を選ぶのが基本的な考え方になります。
PBI の主な用途
- 半導体製造装置 — エッチング装置のウェハ/ガラス保持パーツ
- 真空環境部品 — 真空チャンバー内の摺動部品(SCM7000HP)
- ガラス搬送系 — 耐摩耗が求められる搬送部品
- 高温摺動部 — 他の樹脂では耐えられない温度域での軸受・ブッシュ
- 断熱部品 — 低熱伝導を活かした熱絶縁部材
他の耐熱樹脂との比較
| 材料 | 耐熱の目安 | 引張強さ | PBI との関係 |
|---|---|---|---|
| PBI | 荷重たわみ温度 410℃ | 約150 MPa | 耐熱・強度とも最上位。最も高価 |
| PI(ベスペル) | 連続 300℃ | 約90 MPa | PBI に次ぐ耐熱性。グレードが豊富 |
| PAI(Ti5013) | 250℃ | 約85 MPa | 無充填樹脂で最高クラスの強度 |
| PEEK | 長期 260℃ | 110〜116 MPa | コストと加工性のバランスが良い |
全材料の横並び比較は 樹脂・エンプラ 物性比較表 をご覧ください。
KIRIURI.COM の PBI 取扱品
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PBI に関するよくあるご質問
PBI は何℃まで使えますか?
荷重たわみ温度が 410℃(1.8MPa 荷重時)、ガラス転移温度が 420℃、熱分解温度は 600℃ を超えます。熱可塑性樹脂としては最高クラスの耐熱性です。ただし実際に使用できる温度は荷重条件・雰囲気・時間によって変わるため、実使用条件での確認をおすすめします。
PBI と PEEK はどちらが耐熱性が高いですか?
PBI のほうが大きく上回ります。PEEK の連続使用温度が 260℃ であるのに対し、PBI は荷重たわみ温度が 410℃ です。ただし PBI は PEEK より高価なため、260℃ 以下で足りる用途では PEEK が現実的な選択肢になります。
SCM7000 と SCM7000HP はどう使い分けますか?
SCM7000HP は不純物とアウトガスを抑えた高純度グレードで、真空チャンバーなど半導体製造装置での使用を想定しています。真空環境やクリーン環境、金属汚染を避けたい用途では SCM7000HP を、それ以外の高温・耐摩耗用途では標準グレードの SCM7000 を選びます。
PBI はプラズマ環境で使えますか?
PBI は良好なプラズマ耐性を持つため、ドライエッチング装置などのプラズマ環境で使用されます。エッチング装置のウェハ/ガラス保持パーツが代表的な用途です。
PBI の色は何色ですか?
KIRIURI.COM で取り扱う SCM7000・SCM7000HP はいずれも黒色です。
出典
本ページの数値は、PBIアドバンストマテリアルズが公開する製品情報および公開技術資料をもとにした参考値です(2026年8月時点)。 数値は測定規格・グレード・ロットにより変動します。正確な値はメーカーの最新データシートをご確認ください。