PEI(ポリエーテルイミド/ウルテム)とは

PEI(ポリエーテルイミド/ウルテム)とは|難燃性と透明性を併せ持つ耐熱樹脂

PEI(ポリエーテルイミド)は、難燃性 UL94 V-0 と低発煙性を備え、琥珀色の透明性を持つ非晶性のスーパーエンジニアリングプラスチックです。 「ウルテム」の名で知られ、熱水や蒸気に対して安定しているため、繰り返し滅菌する医療機器や航空機内装に使われます。 KIRIURI.COM ではジュラトロンPEI(琥珀透明)をお取り扱いしています。

掲載数値は参考値です。保証値ではありません。 測定規格・試験片形状・グレード・ロットにより変動します。設計・採用にあたっては、メーカー発行の最新データシートでご確認ください。

PEI の基本物性

ジュラトロンPEI(琥珀透明)の物性値(参考値)
項目数値備考
比重1.27スーパーエンプラでは軽い部類
連続使用温度170 ℃
引張強さ124 MPaPEEK を上回る水準
難燃性UL94 V-0低発煙
透明性あり(琥珀色)
耐加水分解性優れる熱水・蒸気に安定
結晶性非晶性PEEK・PPS は結晶性

PEI の特徴

1. 難燃 UL94 V-0 で低発煙

樹脂としては珍しく、添加剤に頼らず高い難燃性を持ちます。 燃焼時の発煙量も少ないため、航空機内装や鉄道車両など、火災時の安全基準が厳しい用途で採用されます。

2. 透明性がある

琥珀色ではありますが透明性があり、中が見える必要のある部品に使えます。 耐熱樹脂で透明性を持つものは限られており、PEI の大きな特徴です。

3. 熱水・蒸気に強い

耐加水分解性に優れ、繰り返しの高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)に耐えます。 医療器具や食品関連の部品に適しています。

4. 引張強さは PEEK を上回る

引張強さ 124 MPa は PEEK(110〜116 MPa)を上回る水準です。 ただし連続使用温度は 170℃ と PEEK(260℃)より低いため、温度域で使い分けます。

PEI の主な用途

  • 医療機器 — 蒸気滅菌を繰り返す器具、手術器具の部品
  • 航空機・鉄道 — 難燃性が要求される内装部品
  • 電気・電子 — コネクタ、絶縁部品、基板関連治具
  • 半導体製造装置 — 透明性を活かした確認窓、治具
  • 分析機器 — 流路の視認が必要な部品

PEI の切削加工で注意すること

  • 非晶性ゆえの応力クラック — 残留応力が溜まりやすく、切削油や溶剤で微細な割れ(ソルベントクラック)が生じることがあります。使用する切削油の選定に注意が必要です。
  • 加工熱 — 熱伝導率が低いため、切削条件と冷却への配慮が必要です。
  • アニール処理 — 精度が要求される部品では、加工前後のアニールで残留応力を逃がすと安定します。
  • 透明面の仕上がり — 透明性を活かす部位では、工具の切れ味が仕上がりを左右します。

他の材料との比較

比較対象PEI との違い
PEEK耐熱は PEEK が大きく上(260℃ 対 170℃)。引張強さは PEI が124 MPa とやや上。PEI は難燃性と透明性で優位
PCどちらも透明だが、耐熱は PEI が大きく上回る(170℃ 対 約120〜150℃)。PC は安価
PPS耐熱と耐薬品性は PPS が上。難燃性・透明性・強度は PEI が優位
PSU・PESいずれも透明・高耐熱の非晶性樹脂。PES・PSU は耐熱がさらに高いが当社では取り扱いがありません

全材料の横並び比較は 樹脂・エンプラ 物性比較表 をご覧ください。

KIRIURI.COM の PEI 取扱品

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必要な寸法・数量での切売りに対応しています。在庫確認・ご注文は掛け払い登録済みの法人会員様がご利用いただけます。

PEI に関するよくあるご質問

PEI とウルテムは同じものですか?

ウルテム(ULTEM)は PEI の代表的な商標名で、材料としては同じポリエーテルイミドを指します。KIRIURI.COM では三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズのジュラトロンPEI(琥珀透明)を取り扱っています。

PEI は何℃まで使えますか?

連続使用温度は 170℃ が目安です。PEEK(長期260℃)よりは低いため、より高い耐熱が必要な場合は PEEK や PPS が候補になります。数値は参考値です。

PEI は透明ですか?

琥珀色ではありますが透明性があります。耐熱樹脂で透明性を持つものは限られており、中が見える必要のある確認窓や流路部品に使われます。

PEI は蒸気滅菌できますか?

耐加水分解性に優れ、繰り返しの高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)に耐えます。このため医療器具や食品関連の部品に適しています。

PEI の切削加工で気をつけることは何ですか?

非晶性樹脂のため残留応力が溜まりやすく、切削油や溶剤によって微細な割れ(ソルベントクラック)が生じることがあります。切削油の選定に注意が必要です。精度が要求される部品では加工前後のアニールで残留応力を逃がすと安定します。

出典

本ページの数値は、三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズが公開するジュラトロンPEIの製品情報および公開されている一般的な物性資料をもとにした参考値です(2026年8月時点)。 数値は測定規格・グレード・ロットにより変動します。正確な値はメーカーの最新データシートをご確認ください。

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