PA66(66ナイロン)とは

PA66(66ナイロン)とは|PA6より硬く耐熱性の高いナイロン

PA66(66ナイロン)は、PA6 と並ぶ代表的なナイロンで、PA6 より硬く、耐熱性が高いのが特徴です。融点 255℃、荷重たわみ温度(1.82MPa)90℃ と、PA6(225℃/65℃)を上回ります。吸水率も 1.2% と PA6 の 1.8% より低く、寸法安定性でもやや有利です。その分、靭性と加工のしやすさでは PA6 に譲ります。

掲載数値は参考値です。保証値ではありません。 測定規格・試験片形状・グレード・ロットにより変動します。設計・採用にあたっては、メーカー発行の最新データシートでご確認ください。

PA66(66ナイロン) の基本物性

TPS-N66 NC(東レプラスチック精工/無充填ナチュラル)の物性値(参考値)
項目数値備考
比重(23℃)1.14PA6 と同等
引張強度86 MPaPA6(75 MPa)より高い
引張伸び90.0 %PA6 より小さい=粘りは劣る
曲げ強度118 MPa
曲げ弾性率2.83 GPaPA6(2.50 GPa)より硬い
アイゾット衝撃値(ノッチ付)64.0 J/m
ロックウェル硬度R117PA6(R112)より硬い
吸水率(23℃・24時間)1.2 %PA6(1.8%)より低い
荷重たわみ温度(1.82MPa)90 ℃PA6(65℃)より高い
ガラス転移点78 ℃
融点255 ℃PA6(225℃)より高い
熱伝導率0.25 W/(m·K)
燃焼性(UL)HB

PA66(66ナイロン) の特徴

1. PA6 より耐熱性が高い

融点 255℃、荷重たわみ温度(1.82MPa)90℃ と、PA6 を明確に上回ります。エンジンルーム周辺など、温度が上がる環境の部品でPA66 が選ばれる理由がここにあります。

2. 硬く、剛性が高い

曲げ弾性率 2.83 GPa、ロックウェル硬度 R117 と、PA6 より硬い材料です。たわみを嫌う部品や、面圧のかかる摺動部に向きます。反面、引張伸びは 90% と PA6(200%超)より小さく、粘り強さでは PA6 に劣る点は理解しておく必要があります。

3. 吸水率は PA6 より低い

吸水率 1.2% は PA6 の 1.8% より低く、寸法安定性では有利です。ただしエンプラ全体で見れば依然として吸水しやすい部類で、POM(0.2%前後)や PBT(0.09%)とは比較になりません。はめあい設計では吸水を見込んでください。

4. ガラス繊維強化グレードで大きく物性が変わる

ガラス繊維30%強化(TPS-N66 G30)にすると、剛性・耐熱・寸法安定性が大きく向上します。一方で切削工具の摩耗は激しくなり、靭性は下がります。無充填品とは別の材料として扱うのが実務的です。

PA66(66ナイロン) の主な用途

  • 機械部品 — ギヤ、カム、軸受、締結部品
  • 自動車 — エンジンルーム周辺の樹脂部品(耐熱が要る部位)
  • 電気・電子 — 結束バンド、コネクタ、絶縁部品
  • 搬送設備 — 面圧のかかるガイド、ローラー
  • 治具 — 剛性が必要な位置決め部品

PA66(66ナイロン) の切削加工で注意すること

  • 吸水を前提に段取りする — PA6 ほどではないものの吸水します。高精度部品では荒加工後に一度なじませてから仕上げると安定します。
  • PA6 より硬く、工具への負荷が大きい — 特にガラス繊維強化グレードでは工具摩耗が急速に進みます。超硬工具やダイヤモンドコート工具の使用を検討してください。
  • 加工熱に注意 — 熱伝導率 0.25 W/(m·K) と熱が逃げにくく、切削点に熱が溜まります。十分な切削油と条件設定が必要です。
  • 薄物の反り — 結晶性樹脂で残留応力が出やすく、片側だけを大きく削ると反ります。両面から均等に落としてください。

他の材料との比較

比較対象PA66(66ナイロン) との違い
PA6(6ナイロン)耐熱・剛性・硬さは PA66 が上。靭性(引張伸び200%超)と加工しやすさは PA6 が上。吸水は PA66 がやや少ない
MCナイロン大径丸棒・厚板が得られ、耐摩耗性は MCナイロンが上。耐熱は PA66 が上
POM寸法安定性・摺動性は POM が上。耐熱と強度は PA66 が上
PBT吸水率は PBT が圧倒的に低い(0.09%)。強度・耐熱・耐摩耗性は PA66 が上

全材料の横並び比較は 樹脂・エンプラ 物性比較表 をご覧ください。

PA66(66ナイロン) の物性表とお取り扱いについて

グレード別の物性表(PDF)はこちらからダウンロードできます

PA66(66ナイロン) は現在、定尺品としての在庫のお取り扱いがありません。ご用途をお知らせいただければ、手配の可否と納期をお調べします。まずはお問い合わせください。

PA66(66ナイロン) に関するよくあるご質問

PA66 と PA6 の違いは何ですか?

PA66 のほうが融点(255℃ 対 225℃)と荷重たわみ温度(90℃ 対 65℃)が高く、硬く剛性があります。吸水率も1.2%と PA6 の1.8%より低めです。一方 PA6 は引張伸び200%超と粘り強く、加工もしやすくなります。

PA66 は何℃まで使えますか?

荷重たわみ温度(1.82MPa)は90℃です。融点は255℃ですが、荷重がかかる状態ではそれよりはるかに低い温度で変形します。実使用条件でのご確認をおすすめします。数値は参考値です。

PA66 も吸水しますか?

します。吸水率は23℃・24時間で1.2%です。PA6(1.8%)より低いものの、POM や PBT と比べると大きい部類です。はめあい部の設計では吸水後の寸法を見込んでください。

ガラス繊維強化の PA66 は切削できますか?

できますが、ガラス繊維によって工具の摩耗が急速に進みます。超硬工具やダイヤモンドコート工具を使い、切削条件を落として加工するのが一般的です。

KIRIURI.COM で PA66 は買えますか?

PA66 押出材の定尺在庫のお取り扱いは現在ありません。66ナイロン球のお取り扱いはあります。板・丸棒についてはご用途をお知らせいただければ手配の可否をお調べします。

出典

本ページの数値は、東レプラスチック精工が公開する切削用素材「TPS-N66 NC」の物性表(2026年8月取得)からの転記です。数値は測定規格・グレード・ロットにより変動します。正確な値はメーカーの最新データシートをご確認ください。

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