PP(ポリプロピレン)とは

PP(ポリプロピレン)とは|軽く安価で耐薬品性に優れた汎用樹脂

PP(ポリプロピレン)は、比重 0.91 と実用樹脂のなかでもっとも軽い部類に入る汎用樹脂です。酸・アルカリにきわめて強く、ほとんど吸水しないため、薬液槽やめっきライン、食品機械の部品に広く使われます。PE-HD より耐熱が高く(連続 100℃)、剛性もやや上ですが、低温では脆くなる点と、接着しにくい点が扱ううえでの注意事項です。

掲載数値は参考値です。保証値ではありません。 測定規格・試験片形状・グレード・ロットにより変動します。設計・採用にあたっては、メーカー発行の最新データシートでご確認ください。

PP(ポリプロピレン) の基本物性

PP マルボー370(タキロンポリマー/汎用ナチュラル)の物性値(参考値)
項目数値備考
比重0.91実用樹脂で最も軽い部類
引張降伏応力34 MPa
引張破壊時呼びひずみ33 %
曲げ応力40 MPa
曲げ弾性率1,400 MPaPE-HD より柔らかい
圧縮降伏応力54 MPaPE-HD(27 MPa)より高い
シャルピー衝撃強さ8.1 kJ/m2PE-HD(47)より低い
ロックウェル硬さ(Rスケール)103
荷重たわみ温度(0.45MPa)129 ℃
荷重たわみ温度(1.80MPa)73 ℃
連続使用温度100 ℃PE-HD(80℃)より高い
線膨張率11.1×10-5·K-1大きい
耐燃性可燃性
吸水率0.01 % 未満ほとんど吸わない

PP(ポリプロピレン) の特徴

1. 酸・アルカリにきわめて強い

PP を選ぶ最大の理由です。無機酸・アルカリ・塩類水溶液のほとんどに対して安定で、めっき槽や薬液タンクの内張り、薬液配管の部品として定番の材料です。PVDF や PTFE より圧倒的に安価なため、温度が高くない薬液まわりではまず PP が候補になります。

2. 実用樹脂でもっとも軽い

比重 0.91 は水より軽く、樹脂のなかでも最軽量級です。大型の部品でも扱いやすく、装置の軽量化が求められる場面で効いてきます。

3. PE-HD より耐熱が高い

連続使用温度 100℃(PE-HD は 80℃)、荷重たわみ温度(0.45MPa)129℃ と、ポリオレフィンのなかでは耐熱が高い部類です。高耐熱グレード(PP 922)では連続 110℃ まで対応するものもあります。

4. 低温で脆くなる

PP の弱点です。0℃ を下回ると急に衝撃に弱くなり、シャルピー衝撃強さ 8.1 kJ/m2 は PE-HD(47 kJ/m2)を大きく下回ります。冷凍・冷蔵環境や屋外の冬場で衝撃が加わる用途にはPE-HD のほうが向きます。

PP(ポリプロピレン) の主な用途

  • 表面処理・めっき — 薬液槽、治具、ラック、仕切り板
  • 化学・水処理 — 配管部品、タンク内張り、ノズル
  • 食品機械 — ライン部品、ホッパー(食品用途グレード)
  • 搬送設備 — ガイド、当て材
  • 治具 — 薬液に触れる保持具、軽量化が要る保持具

PP(ポリプロピレン) の切削加工で注意すること

  • 線膨張率が大きい — 11.1×10-5·K-1と金属の10倍前後です。加工熱で寸法が動くため、測定は室温に戻してから行ってください。
  • 柔らかく逃げる — 曲げ弾性率 1,400 MPa と柔らかいため、工具に押されて寸法が出にくくなります。鋭利な刃物と確実な保持、軽い仕上げ切削が有効です。
  • バリと毛羽 — 粘るため切り終わりにバリが残り、穴の出口が毛羽立ちます。抜け側の当て板が効果的です。
  • 反りやすい — 結晶性樹脂で残留応力が出ます。厚板から薄板を削り出す場合は、両面から均等に落としてください。

他の材料との比較

比較対象PP(ポリプロピレン) との違い
PE-HD耐熱は PP が上(100℃ 対 80℃)、圧縮強さも PP が上。耐衝撃性と低温特性は PE-HD が大きく上
PVDF耐薬品性(特に酸)と強度・剛性は PVDF が上。PP は圧倒的に軽く安価で、耐アルカリ性では有利
PTFE耐熱・耐薬品性は PTFE が圧倒的に上(連続260℃)。PP は圧倒的に安価で剛性も高い
ABS切削性・接着性・塗装性は ABS が上。耐薬品性・耐水性・軽さは PP が上

全材料の横並び比較は 樹脂・エンプラ 物性比較表 をご覧ください。

KIRIURI.COM の PP(ポリプロピレン) 取扱品

PP(ポリプロピレン)丸棒・板の一覧はこちら

必要なサイズ・数量での切売りに対応しています(材質・サイズによっては定尺販売のみのものもあります)。在庫確認・ご注文は掛け払い登録済みの法人会員様がご利用いただけます。

PP(ポリプロピレン) に関するよくあるご質問

PP と PE はどちらを選べばよいですか?

耐熱が要るなら PP(連続100℃、PE-HD は80℃)、低温での耐衝撃性が要るなら PE-HD です。PP は0℃を下回ると脆くなるため、冷凍・冷蔵環境や冬場の屋外では PE-HD が向きます。

PP はどんな薬品に強いですか?

無機酸・アルカリ・塩類水溶液のほとんどに安定です。めっき槽や薬液タンクに広く使われます。ただし高温の酸化性酸や一部の有機溶剤では膨潤・劣化します。実条件でのご確認をおすすめします。

PP は接着できますか?

そのままではほとんど接着できません。ポリオレフィン全般に共通する性質で、表面処理やプライマーが必要になります。設計上はねじ止めやはめ込みなど機械的な固定をおすすめします。

PP は何℃まで使えますか?

連続使用温度は100℃が目安です。荷重たわみ温度は0.45MPaで129℃、1.80MPaでは73℃まで下がります。高耐熱グレード(PP 922)では連続110℃のものもあります。数値は参考値です。

KIRIURI.COM で PP は買えますか?

ナチュラル(乳白)の丸棒と板をお取り扱いしています。タキロンポリマーの PP マルボー370/P370 で、必要なサイズ・数量での切売りに対応しています(材質・サイズによっては定尺販売のみのものもあります)。

出典

本ページの数値は、タキロンポリマーが公開する「物性資料 タキロンポリマー製品 関連物性」(p.84、2026年8月取得)の PP マルボー370 の値からの転記です。原典に「記載数値は試験片厚さ5mmの実測値であって保証値ではない」と明記されています。数値は測定規格・グレード・ロットにより変動します。正確な値はメーカーの最新データシートをご確認ください。

トップページに戻る