PSU(ポリサルホン)とは

PSU(ポリサルホン)とは|熱水・蒸気に強い琥珀色の透明樹脂

PSU(ポリサルホン)は、スルホン系樹脂の基本となる非晶性のエンジニアリングプラスチックです。琥珀色の透明性と、熱水・蒸気に対する安定性(耐加水分解性)を併せ持ち、繰り返し蒸気滅菌する医療器具や、温水に触れる配管部品に使われます。同じスルホン系の PES・PPSU と比べると耐熱・靭性では劣りますが、その分入手しやすく価格も抑えられます。

掲載数値は参考値です。保証値ではありません。 測定規格・試験片形状・グレード・ロットにより変動します。設計・採用にあたっては、メーカー発行の最新データシートでご確認ください。

PSU(ポリサルホン) の基本物性

PSU(N)(クレハエクストロン/無充填)の物性値(参考値)
項目数値備考
比重1.24スーパーエンプラでは軽い
吸水率(23℃・浸漬24h)0.3 %
引張強さ70 MPa
引張伸び50 %非晶性樹脂として粘る
曲げ強さ106 MPa
曲げ弾性率2,700 MPa
アイゾット衝撃強さ(ノッチ付)69 J/m
ロックウェル硬さM69
荷重たわみ温度(1.82MPa)174 ℃
ガラス転移点190 ℃非晶性のため融点を持たない
燃焼クラスV-0 相当
線膨張係数5.6×10-5/℃
体積抵抗率5×1016 Ω·cm

PSU(ポリサルホン) の特徴

1. 熱水・蒸気に安定している

PSU を選ぶ主な理由です。加水分解を起こしにくく、繰り返しの高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)や温水環境に耐えます。医療器具のケースや、温水が通る継手・バルブ部品に使われます。

2. 琥珀色の透明性がある

無色ではありませんが透明で、中が見える必要のある部品に使えます。耐熱性を持ちながら透明な樹脂は限られており、PEI・PPSU と並ぶ選択肢になります。

3. 非晶性で寸法が安定している

結晶化による収縮がないため、成形・加工後の寸法変化が小さく、精度を出しやすい材料です。一方でガラス転移点(190℃)を超えると急激に軟化します。

4. スルホン系のなかでは基本グレード

耐熱は PES(荷重たわみ温度 210℃)が上、靭性と耐加水分解性は PPSU が上です。PSU は性能のバランスと入手性・価格で選ばれる位置づけになります。

PSU(ポリサルホン) の主な用途

  • 医療機器 — 蒸気滅菌を伴う器具のケース、ハウジング
  • 配管・流体機器 — 温水に触れる継手、バルブ、フィルターハウジング
  • 食品機械 — 温水洗浄を伴うライン部品
  • 電気・電子 — 絶縁部品、コイルボビン
  • 分析機器 — 流路の視認が必要な部品

PSU(ポリサルホン) の切削加工で注意すること

  • 非晶性ゆえのソルベントクラック — 残留応力が溜まった状態で切削油や有機溶剤に触れると微細な割れが入ります。切削油と洗浄剤の選定に注意してください。
  • 加工前後のアニール — 精度を要する部品では、荒加工と仕上げの間にアニールを挟むと寸法が安定します。
  • 加工熱がこもる — 熱伝導率が低く、溶着しやすい材料です。切りくずの排出を確保してください。
  • 透明面は工具の切れ味次第 — 摩耗した刃では白濁した仕上がりになります。

他の材料との比較

比較対象PSU(ポリサルホン) との違い
PES(ポリエーテルサルホン)耐熱は PES が上(荷重たわみ温度210℃ 対 174℃)。PSU は吸水が少なく、価格で有利
PPSU(ポリフェニルサルホン)靭性・耐加水分解性は PPSU が大きく上。PSU は入手性と価格で有利
PEI(ウルテム)耐熱・強度は PEI が上(連続170℃・引張124 MPa)。どちらも非晶性・琥珀透明・難燃
PC(ポリカーボネート)耐衝撃性と無色透明性は PC が上。耐熱と耐加水分解性は PSU が大きく上回る

全材料の横並び比較は 樹脂・エンプラ 物性比較表 をご覧ください。

PSU(ポリサルホン) の物性表とお取り扱いについて

グレード別の物性表(PDF)はこちらからダウンロードできます

PSU(ポリサルホン) は現在、定尺品としての在庫のお取り扱いがありません。ご用途をお知らせいただければ、手配の可否と納期をお調べします。まずはお問い合わせください。

PSU(ポリサルホン) に関するよくあるご質問

PSU と PES、PPSU はどう違いますか?

いずれもスルホン系の非晶性樹脂です。耐熱は PES が最も高く、靭性と耐加水分解性は PPSU が優れます。PSU はその基本形で、バランスと入手性・価格で選ばれます。

PSU は蒸気滅菌できますか?

加水分解を起こしにくく、繰り返しの高圧蒸気滅菌に使われています。ただし実際の耐久回数は温度・時間・洗浄剤・部品形状で変わるため、使用条件でのご確認をおすすめします。

PSU は何℃まで使えますか?

荷重たわみ温度(1.82MPa)は174℃、ガラス転移点は190℃です。非晶性樹脂のためガラス転移点付近で急に軟化します。数値は参考値です。

PSU は透明ですか?

琥珀色の透明性があります。無色ではありませんが、中が見える必要のある部品に使えます。

KIRIURI.COM で PSU は買えますか?

現在、定尺品としての在庫のお取り扱いはありません。ご用途をお知らせいただければ手配の可否と納期をお調べしますので、お問い合わせください。グレード別の物性表PDFは無料でダウンロードいただけます。

出典

本ページの数値は、クレハエクストロンが製品ページで公開している「PSU(N)」の物性表(2026年8月取得)からの転記です。原典に代表値であり保証値ではない旨が示されています。正確な値はメーカーの最新データシートをご確認ください。

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